ー建築物の基礎検査とは?配筋検査や完了検査などの内容を紹介ー
頑丈な家づくりのために欠かせない「住宅基礎」。建物を施工する際には、建築基準法に沿って建てられているかどうかをチェックする機会が複数回あります。いずれのチェック工程も専門家により確認されますが、任せっきりにするのではなく施主自身も理解しておくことが重要です。チェック内容を理解しておくことで、悪質な施工業者に騙される可能性をなくせるため、より安全な家づくりを実現できるでしょう。
そこで今回は建物検査のプロである「合同会社えにしす」が、基礎検査の内容をわかりやすく紹介します。また、検査の専門業者へ依頼するほうが良い人の特徴もまとめました。これから新築を建てる予定の方は、ぜひ最後までご覧ください。
建築物の「基礎検査」とは?
基礎検査とは、基礎の不具合がないかどうかをチェックする検査のことです。検査は、下記のように建築中から建築後、建築してから数年経過してからなど複数回にわたり実施されます。
・配筋検査
・基礎完了検査
・ホームインスペクション
・定期点検
ここでは、それぞれの検査の概要を簡単に紹介します。それぞれの検査で立ち会う際の参考にしてください。
配筋検査【基礎建築中】
配筋検査とは、基礎を建てる途中の段階でチェックを行う検査です。配筋検査では、完成後に確認できない箇所を重点的にチェックします。建物を建ててしまうと、隠れてしまう構造体であるため、配筋検査は長持ちする家づくりをするうえで特に重要な工程です。
配筋検査では、「鉄筋が図面通りに正しく配置されているか」「寸法や数量などに変更はないか」「金物の固定状況は問題ないか」など、建築後に隠れてしまう鉄筋や金物を中心に専門の業者が確認します。
立会いの機会がある場合には、下記の内容に注目すると良いでしょう。
・鉄筋同士が水平になっているか(業界では波打ちといわれます)
・間隔がずれている個所がないか
・図面と異なる部分はないか
鉄筋の水平具合や間隔は、パッと見で確認しやすいため施主も一緒にチェックすると良いでしょう。
また図面と異なる部分がある場合には注意が必要です。アンカーボルトが未施工であったり、配筋の長さが不足していたりと、施工不良の場合が多いからです。そのため施主も図面と照らし合わせながら、気になる部分があれば施工会社や検査業者に聞くようにしましょう。
なお配筋検査の内容は写真で残しておくと安心です。もちろん検査業者も写真や動画にて残しますが、あとから施工内容でトラブルがあった場合に、施主からも写真を提出できるとスムーズに話が進みます。
基礎完了検査【基礎建築直後】
基礎完了検査とは、その名前からイメージできるように、基礎を建てた後に図面通りに施工されたかどうかをチェックする検査のことです。配筋検査後にコンクリートを打設し、建物を建てていく前に基礎の仕上がり具合をチェックします。
完了検査で確認する内容は下記のとおりです。
・地盤の高さ
・位置関係
・アンカーボルトの位置や高さ
・基礎の形や高さ
コンクリートの打設工事は、人手で行われるため熟練工であっても均一な高さで試行するのは困難です。そのため後工程で補正するために、レーザーや目視で高さを重点的に確認します。
ホームインスペクション【建物完成後】
ホームインスペクションとは、住宅診断のプロが住宅の劣化状況をチェックする検査のことです。住宅の外側から目視できる部分と、床下から目視できる部分を中心に確認します。
ホームインスペクションの主なチェック項目は、下記のとおりです。
・コンクリートのひび割れ
・鉄筋が露出していないか
・水切りは問題ないか
目視のほかに、専用の機械で音の反射具合や抵抗力のチェックも行います。
定期点検【建築してから】
定期点検とは、建物の建築してから3カ月・半年・1年・3年後・10年後など定期的に実施する検査のことです。
基礎は隠れている部分であるため、外壁や屋根など露出している構造体と比較して劣化が見えにくい箇所です。そのため専門業者により、経過に応じて「劣化が起きていないか」「施工不良はないか」などを確認することが重要です。
また定期点検を受けることで、早期に補修工事に取り掛かれるメリットもあります。不具合や傷が見られる場合には、適切な補修を早急に行うことで大きな出費になってしまうリスクをなくせます。
定期点検でチェックされる内容は、下記のとおりです。
・シロアリの被害がないか
・雨水が侵入している形跡はないか
・コンクリート表面にひび割れがないか
なお定期点検は新築の施工会社がするケースが一般的ですが、工務店や不動産会社の場合には定期点検サービスを提供していない場合も見られます。そのような場合では、建物検査を行う第三者機関への依頼がおすすめです。建物検査の専門業者であれば、基礎以外にも、さまざまな視点から検査をしてくれますよ。
建築物の基礎検査を専門業者へ依頼すべき人
各種検査は、施工会社だけではなく建築検査の専門業者へ依頼することも可能です。専門業者へ依頼すべき人の特徴は下記のとおりです。
・新築/中古物件購入時にホームインスペクションを受けていない人
・建築にかかわっていない第三者に見てもらいたい人
・住宅保証期間が終了した人
・詳しく調査してもらいたい人
特に購入してから検査を受けたことがない場合や、保証期間が終了し数年単位で検査を受けていない場合には、検査を専門業者へ依頼しましょう。家は住み続けていると必ず劣化します。施工の不具合を早期に発見し、安心安全に暮らしましょう。
まとめ
家やマンション、アパートを建てる場合には基礎検査を行います。施工不良を早期に見つけるうえで重要な検査です。
複数のタイミングで実施され、建築中の「配筋検査」・完了後の「基礎完了検査」・建物完成後の「ホームインスペクション」・建ててから数年経ったあとの「定期点検」があります。各検査では、鉄筋の施工状態やコンクリートの形やひび割れ、アンカーボルトの有無などを目視や専用の機械を使って確認します。
住宅保証期間が終了し、家の劣化状況をチェックしてもらいたい場合には、建物検査の専門業者への依頼がおすすめです。劣化状況をあらゆる視点からチェックし、必要に応じて補修工事の相談もできます。
なお大阪府大阪市にある「合同会社えにしす」は、一戸建てやマンションなどの建築検査を実施する専門業者です。依頼者の要望や現場の状況を踏まえて、一切妥協することなく検査を行います。
「床下部分のシロアリが気になる」「定期点検を依頼したい」などのご相談は、お気軽にお問い合わせください。
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