合同会社えにしす

ー建築物の完了検査とは?内容・費用・罰則・業者への依頼手順を解説ー

家の建築後には、「完了検査」と呼ばれる検査を実施しなければなりません。新しく家を建てる予定の方のなかには、完了検査について下記のように疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

 

・絶対にする必要がある?

・どこに依頼すれば良い?

 

今回は、建物検査のプロである「合同会社えにしす」が、完了検査の内容や費用の目安、検査の流れを紹介します。検査について知りたいことがある方は、ぜひ最後までご覧ください!

 

建築物の「完了検査」とは?

 

「完了検査」とは、建築基準法の基準を満たしているかどうかを調べる検査のことです。検査では、下記のように構造物・間取り・設備など家のあらゆる内容を専門家が徹底して調べます。

 

・構造物が耐震性や耐火性などの安全基準を満たしているか

・リビングの間取りや窓の位置は、パンフレット図面の内容から変更がないか

・電気やガスなどライフライン設備は、問題なく動くか

 

検査で法令上の問題がなければ、「検査済証」が検査の依頼者側に渡されます。検査済証がないと、リフォームができなかったり、不動産として売却できなくなったりなどさまざまなデメリットが発生するため注意しましょう。受け取ったあとには、無くさないように大切に保管してください。

 

完了検査は、家の安全性や適法性を証明する重要な検査です。すべての建築物が対象になっているため、必ず受けましょう!

完了検査の費用はいくら?

 

完了検査にかかる費用は、30〜40坪の場合で「約1.5〜3万円」が相場です。検査費用は、床面積の大きさに比例して高くなります。大阪府内の自治体に検査を依頼する場合の費用は、下記のとおりです。

 

【中間検査あり】

・100m2(30坪)以下:2万円

・100m2(30坪)超え、200m2(60坪)以下:2.4万円

・200m2(60坪)超え、500m2(151坪)以下:3万円

 

【中間検査なし】

・100m2(30坪)以下:2.2万円

・100m2(30坪)超え、200m2(60坪)以下:2.6万円

・200m2(60坪)超え、500m2(151坪)以下:3.2万円

参照:建築確認・中間検査・完了検査等 申請手数料|大阪府

 

「中間検査」と呼ばれる検査も一緒に依頼する場合には、受けない場合と比べて2千円安く済ませられます。そのため自治体に依頼する場合には、特別な理由がない限り中間検査と一緒に依頼すると良いでしょう。

 

なお、中間検査については『ー建築物を建てるときの中間検査で行う作業と検査の流れについてー』で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

完了検査に関する罰則に注意!

 

建築基準法第7条にて、「建築主(施主)は、家の工事が完了した日から4日以内に検査申請を行うこと」と定められています。そのため下記の条件に当てはまる場合には、建築主に罰則が下される可能性があります。※

 

・完了検査の申請をしなかった場合

・検査済証を受け取っていないにもかかわらず、家に住み始めた場合

 

罰則内容は、「1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金」です。検査申請を行わないと重い罰則が下されてしまうため、忘れないように注意しましょう。

 

※参考:あなたの建物|大阪府

建築物完成から完了検査を受ける流れ

 

では、違法にならないために建築物の完成後から完了検査を受けるまでの流れをチェックしておきましょう!自分で完了検査を申請する場合の流れは、下記のとおりです。

 

・建築物完成

・検査を依頼する先を探す

・必要書類をそろえて、依頼先へ提出

・検査日程の調整

・検査依頼先による現地調査

・問題なければ検査済証の受け取り

 

ハウスメーカーや工務店、不動産会社に家を建設してもらう場合には、代理で完了検査を申請してくれる場合が一般的です。検査が実施されるか不安な場合には、「どのような業者に検査を依頼するのか」「検査の立ち会いは可能なのか」などを聞いておきましょう。

 

また検査の実施は、施主に義務付けられている内容です。ハウスメーカーなどが代理してくれるとはいえ、完全に任せっきりにするのは、トラブルが発生したときに困る可能性が高いためおすすめしません。そのためハウスメーカーなどが代理してくれる場合にも、検査の流れをある程度理解しておくと安心です。

 

これから、一般住宅が完成したあとの流れを施主側の視点で詳しく解説します。

 

完了検査を依頼する先を探す

 

まずは、検査を依頼する先を探す必要があります。完了検査は、自治体もしくは建物検査の専門業者に依頼が可能です。

 

自治体と専門業者では、費用と対応できる時間帯・地域が大きく異なります。自治体の場合には、対応時間が午後以降に限定されている場合が大半です。一方で専門業者の場合には、午前中にも対応しているため自分の仕事の都合に合わせやすく、立ち会いがしやすいメリットがあります。

 

自治体と専門業者それぞれを比較して、1番都合がつきやすく安心できるところへ依頼すると良いでしょう。

 

必要書類をそろえて依頼先へ提出

 

依頼する先が決まれば、必要書類をそろえましょう。各自治体や専門業者によって、提出が必要になる書類の内容や書式が異なるため注意が必要です。

 

各依頼先のホームページをしっかりとチェックしながら、書類に不備がないように用意しましょう。心配な場合には、自治体の窓口へ直接持って行ったり、業者に問い合わせを行ったりすることをおすすめします。

 

工事完了後4日以内に申請手続きを済ませる必要があるため、書類でわからないことがあれば積極的に依頼先へ確認を取るようにしましょう。

 

検査日程の調整

 

申請が受理されると、検査日程の調整を行う必要があります。いくつか候補日が提示されるため、都合が良い日時を選びましょう。

 

なお、建築主事の依頼を受けた側は申請から7日以内に検査を行うように義務付けられています。

 

検査依頼先による現地調査

 

検査日程が確定すれば、依頼先による検査のための現地調査が行われます。依頼者側が申請時に提出した図面などをもとに、建築基準法の規定を満たしているかどうかがチェックされます。

 

完了検査の現地調査への立ち会いの有無は、依頼する自治体や専門業者によって異なります。現地調査へ立ち会っても良い場合には、相互チェックのために立ち会うと良いでしょう。

 

検査済証の受け取り

 

建築基準法に適合していると認められた場合には、「検査済証」と呼ばれる書類が依頼先から送られてきます。検査済証の内容を確認して、大切に保管しましょう。

 

なお、検査済証の注意点は『建築工事が終わったときに行う完了検査の内容や注意点について』で詳しく解説していますので、依頼前に確認してみてください。

 

まとめ

 

完了検査は、建築基準法に沿って安全な家であることを確かめるための検査です。検査の実施は施主に義務付けられているため、建物が完成する前から専門業者探しを開始することをおすすめします。

 

「合同会社えにしす」は、大阪府全域で一般住宅の建物検査を行う会社です。施工業者・施主の両方の視点を踏まえて、丁寧な検査を実施します。

 

「良質な建物検査をしてくれる業者を探している」「まずは検査費用がいくらかかるか知りたい」など、建物検査に関する相談・質問はお気軽にお問い合わせください!