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ー新築の建物検査をするときに注意すべきポイントについてー

新築住宅の契約を交わしてから住宅が完成すると、建て主に引き渡すまえに建物検査が行われます。

 

工事の完了日が近づくと、建築業者から完成予定日と建物検査の立ち会い日についての連絡が入ります。しかし、建て主のなかには、建物検査とはどのようなものか分からなかったり、どこを検査するべきなのか心配になったりする人もいます。初めて新築を建てる人にとっては、初めての建物検査になるため、不安を感じるのも当然でしょう。

 

この記事では、新築住宅を建てた人が、建物検査を終えてから引渡しができるように、建物検査をするときのポイントや注意点を紹介しています。

 

新築の建物検査について

新築の建物検査とは、完成したての建物を検査することです。建物が完成したときに建築業者や工務店が自分たちで行う検査もあれば、建て主に引渡す前のチェックとして行う場合もあります。

 

建築業者が社内で行う検査は、いつ実施するのか建て主に知らされないことも多く、酷いケースでは検査を実施していない場合もあります。一方で、建て主が行う建物検査では、建物の品質や図面の通りに工事できているかをチェックします。

 

建て主が品質を自分で確認するのは難しく、建築業者に言いくるめられることが心配な場合には、建て主の観点で住宅を検査してくれる専門の業者に依頼することもできます。

 

新築の建物検査をするときのポイント

新築の建物検査は、引渡される前に建て主が行う大切な検査なので、気を緩めることなく、丁寧に着実に進めていきましょう。

 

建て主が立ち会いながら行う建物検査は、建築業者が建て主に連絡して日程の調整を行います。そのため、建て主から連絡する必要はないはずですが、建築業者のなかには何の案内もしないケースもあり、問題になっています。

 

もし建て主が建物検査に立ち会えなければ、問題を指摘して直してもらうことができず、生活し始めてから補修を始めることになります。しかも、料金を支払ったあとになると、対応も遅れる恐れもあります。

 

そのため、建て主は新築を建てる前に建物検査の立ち会いがあることを建築業者と話し合い、工事の完了が近づいたときに、建物検査の立ち会いがいつになるのかを確認しましょう。

 

新築の建物検査は、問題を見つければ、すぐに指摘できる大切な機会です。しかし素人にとってはどこを確認すれば良いのか分かりにくく、30分程度軽く見て回るだけで検査を終えてしまう人もいます。

 

短い時間でチェックできることは限られているので、まずは十分な時間を確保しましょう。建物の外側から部屋のなかまで慎重にチェックすれば、約30坪の住宅では2時間以上の時間が必要になります。もし、専門の業者に依頼したときには、床下や屋根裏の確認も行うので3時間近くかかります。

 

新築の建物検査を始める時間は、朝9時から10時を目安に行うと良いでしょう。入居者がいない建物を検査するので、照明が取り付けられていない部屋もあります。そのため、太陽の光を頼りに検査しなければいけません。

 

また、庭やカーポートなどのエクステリアを確認するためにも、日が昇っている明るい時間に検査を終わらせると良いでしょう。新築の建物検査はプロでも2時間から3時間は必要です。

 

新築の建物検査を円滑に進めるためのコツ

建物検査を円滑に進めるためには、床下や屋根裏、天井裏までチェックしたいという希望を、前もって工事担当者に伝えることが大切です。

 

屋根裏や天井裏に上がるときには、高い場所での作業になるので、脚立を準備してもらうと安心です。屋根裏や天井裏への入口は、ドライバーなどの道具を使わないと開かなかったり、蓋が外しにくかったりと、円滑にいかない可能性もあります。出来たばかりの建物にキズを付けてしまうことのないよう、作業に慣れた建築業者に蓋の開閉を頼むと良いでしょう。

 

建物検査を行うまえに水道やガス、電気を使用できるように準備してもらうことも重要です。水、ガス、電気は実際に使ってみないと問題点を見つけにくので、照明のスイッチに異常はないか、キッチンやトイレなどの水は正常かを実際に目で確認する必要があります。ガスは入居するタイミングで開栓する場合が多いので、確認は難しいかもしれませんが、一度交渉してみても良いでしょう。

 

建物検査をするときには、仮設の照明を付けてもらえるかも確認すると良いでしょう。部屋が暗いと表面の傷や汚れを確認できません。廊下やトイレの天井に設置された小ライト以外は、引渡したあとに自分で取り付けることがほとんどなので、部屋に灯りがないと検査しにくい状況になります。

 

もし仮設の照明を取り付けられれば、建築業者に準備してもらうのも一つの方法です。照明の取り付けが難しいときには、電池式のランタンや懐中電灯、スマートフォンなどを手に持ちながら検査すれば、暗い所でも確認できます。

 

当日の天気も確認しておく

晴れた日に建物検査ができると良いので、検査当日がどのような天気かをチェックしておくと良いでしょう。強い風雨の日には、窓が開けられない心配がありますし、雪が降ると外構の確認ができないという問題があります。

 

そのため、建物検査をする日の天気は、前もってチェックしておくのが無難でしょう。台風警報の発令や、交通渋滞が起きる可能性が高い日は、建物検査ができず延期になるかもしれません。

 

問題が見つかった場合にはいつ伝えると良いか

建物検査をしたときに、不明な箇所があれば担当者に伝えましょう。

 

建て主は契約内容と違う部分を見つけた場合、直してもらう権利を持っています。素人では専門的なスキルや経験が少ないので、気になる点があっても指摘するほどの問題なのかわからない、と思うことも珍しくありません。そのため、気になる部分を伝えられずに終わってしまうこともあります。

 

建築業者によっては、引渡しが終わったあとからのクレームに対しては、アフターサービスを除き、工事完了に合意したとして、修理の費用を請求するケースもあります。そのため、小さな問題であっても、建物検査のときに気になる部分があれば、検査をしている時点で担当者に伝えるようにしましょう。