ー建築業界のリペアとは傷やへこみの部分補修を行う作業ー
長い時間暮らしているうちに、どうしても住宅には傷やへこみが付いてしまいます。傷を補修したいと思っても、リフォームをするほどではないと感じている人も多いでしょう。
こうしたケースでおすすめなのが、建築のリペアです。この記事では、建築業界のリペアとは何か、リペアとリフォームの違いについて、またリペアのメリットとデメリットについて紹介します。
リペアとは何をするのか
建築業界で言うリペアとは、傷が付いた箇所や劣化した部分を補修するという意味です。
一例として、ドアや壁のペンキの剥がれや、床の傷を目立たなくなる程度に補修する工事を指します。また、リペアとは建築だけではなく、車の傷を補修するときにも使われる用語です。
住まいの壊れた部分を修繕することと関連して、リペアという単語を使用するので、一部の建築会社では、リペアとはリフォームと同じことであると説明する場合もあります。
リペアとはリフォームとは異なる
建築業界では、リペアとはリフォームと同じ意味であると認識されることもありますが、実際には違いがあることを覚えておきましょう。
リペアとは、傷や壊れた部分は新しくせず、塗装などで表面を補修する作業を指します。
一方でリフォームとは、住まいの壊れた部分を撤去して新しくしたり、改装して原状回復したりする作業を指します。家族の人数が増えたり、生活スタイルが変化したりなどで間取りを変えて増築する工事も、リフォームに含まれます。
なお、リノベーションとは、住まいを改築したり、新しい設備を導入したりする大がかりな工事を指すことがようです。近年では中古住宅を買ってから、暮らす人の生活スタイルや好みに応じて、現代的な暮らしやすい内装に変える人が多く、こうした改装もリノベーションと呼ばれます。
しかし、リペア、リフォーム、リノベーションに、明確な規定はないので、建築会社が工事の内容に合わせて使い分け、建築会社によって呼び方も変わります。
リペアとは普通の建築と異なる
リペアとは建築よりも、芸術や美術に近いという考え方もあります。絵画や壺など美術品に興味のある人は、壊れた状態で見つかった絵画やモザイク画などを、現代技術で汚れをきれいに落とし、修復する作業を見たことがあるかもしれません。リペアとはこれに似た作業を建築現場で行います。
具体的には、傷や穴、へこみを素材に合ったパテで埋めて、修理した跡が見えないように、素材とパテがなじむように補修をします。一例としてフローリングを修復するときには、木目の一つ一つをスタッフが手作業で描きます。
リペアとはメリットの多い補修方法
リフォームではなくリペアを選ぶことには数多くの利点があります。
金額が安くなる
リペアは全体的に新しくするのではなく、傷やへこみがある部分のみを補修するので、リフォームと比べて金額を安くできることが利点です。
これまでの暮らしで、付いた傷やへこみが気になるものの、リフォームが必要なほど劣化しているわけではないという状況では、リペアを選択すると良いでしょう。
工期を短縮できる
リペアでは壊れた箇所だけを補修するため、元の材料を撤去したり、新しい資材を取り付けたりする手間がかからないので、工期を抑えられます。そのため、工事のときでも仮住まいを準備して引っ越す必要がなく、家に住みながら工事をすることも可能です。
しかし、工期は補修する素材や壊れた場所の大きさなどによって変わるので、工事を頼むときに、どの程度の工期が必要かを建築業者に尋ねておくと良いでしょう。
産業ゴミを減らせる
リフォームでフローリングを張り替えると、取り外した古いフローリングは産業ゴミとして処分されます。しかしリペアでは、リフォームほど大量のゴミが出ないので、産業ゴミを減らせるという利点があります。
家を元の状態で残せる
リフォームするときには、傷やへこみが目立つ素材や古くなった建材を新しくします。そのため、同じ住まいといっても、家の雰囲気がこれまでと変わってしまうことが難点です。
この点でリペアは、一部分を補修するだけなので、元の住まいの雰囲気を残しながら、大事に住み続けられます。
リペアのデメリットについて
リベアは通常は、1日程度で終わる工事ですが、傷や汚れがひどいときには、リペア工事では対応できないケースもあります。リベアとは一部分を補修する作業なので、大がかりな工事を行うときには、リフォームやリノベーションを考えたほうが良いでしょう。
また、短い時間で終わるとはいえ、住まいの傷がリペアに対応しているかを判断するのに、スタッフが現地を訪れて調査しなければなりません。建築会社に連絡をしてから、現地の調査をして見積もりを提示します。そのため、依頼されてから工事を始めるまでに時間がかかってしまうことがデメリットです。
リペアが可能な場所とそうでない場所
リペアとは床や壁、ドアや金属サッシの傷やへこみなどを補修する作業です。住まいで問題が出てきたときには、建築会社のホームページをチェックして、どのような補修ができるのか調べてみると良いでしょう。詳細が不明なときには、直に業者に尋ねてみることがおすすめです。
しかし、大きな穴が空いたり、壁や床が全体的に古くなったりしているケースでは、リペアができない可能性もあります。リベアで補修できる部分は、自分では判断が難しいので、建築会社に状態を確認してもらい見積もりを依頼してから考えると良いでしょう。
リペアが対応している範囲
木類ならフローリングや建具、柱、框などに付いた傷の補修や穴埋め、へこみを補修します。また、表面に新しい素材を貼ったり、ドアのカラーを塗り替えたり、白木の補修をしたりします。
開口部に関しては、ドアなどの玄関だけではなく、サッシを取り付ける作業でできたキズや穴埋め、へこみの補修、カラーの塗り替えを行います。
さらに外壁やサイディング、人工大理石、タイル、コーキングの補修もリペアでできます。外壁やタイルの破損、インターホンを外したあとの穴や、エアコンの穴などを修復する作業もリペアで対応できます。
スタッフは高いスキルを持つため、ほとんど跡を残さずに補修できることが特徴です。
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