ー建築物を建てるときの中間検査で行う作業と検査の流れについてー
家を建築するときには、建築確認をしてから工事が始まり、途中で中間検査や完了検査を行います。
建築物を建てるときに、構造や建築計画が決まってくると、建築会社から建築確認という単語を聞くことになります。建物を建てるときに、必要不可欠な建築確認や中間検査、完了検査について知っておくことは、建物の安全性を保つ点でも重要です。
この記事では、建築確認や中間検査の基礎知識を紹介します。
工事を始める前には建築確認をする
建築確認は、家を建てる前に、住宅が建築基準法に合っているかを前もって確認する作業です。
建築確認は、自治体や自治体が定めた民間の検査機関が行います。確認される項目は、建物の建ぺい率や容積率、部屋に入る光の量や構造などです。最近では、省エネ基準を満たしているかも確認します。
そのほかに、アレルギー対策などのチェックもあるので、生活するのに適した建物かどうかを判断するチェックともいえるでしょう。
しかし、建築確認では住宅の耐震性まで確認できるわけではないので、建築確認に合格しても地震に強いことが保障されるわけではありません。
なお建築確認の申請は、建築会社や設計事務所が代理で行うので、建築主が自分で申請する必要はありません。
中間検査では何を行うのか
建築確認が終わり、工事が始まったら特定工程について中間検査を受ける必要があります。
そして、中間検査にパスすれば中間検査合格証を受け取れるので、建築主は合格証を大切に保管しておかなければなりません。
なお、中間検査が必要な特定工程は、法律で決められているものと自治体が決めているものがあります。そのため、建築を行う地域によって異なります。
また特定工程のない建物も存在し、こうしたケースでは中間検査は行いません。
中間検査では、建築確認のときに申請された住宅の工事が計画通りに進んでいるかを現地でチェックするので、住宅の品質まで確認できるわけではありません。構造的な問題やクオリティーまで確認するわけではないことを頭に入れておきましょう。
中間検査の工程と主な作業について
まずは申請する
検査を行うべき住宅は、工事を終えた日から4日以内に、中間検査の申請を行う必要があります。
建築確認の申請と同じように、建築主が申請することになっていますが、建築会社や工務店、設計事務所、ハウスメーカーが代理を務めて申請してくれます。
中間検査の申請書は、各自治体や民間の検査機関に提出します。
実際に検査を行う日は、工事を終えた日から4日以内に行うことが法律で決められていますが、検査する日の要望があるときには、前もって相談して予約を取ることも可能です。
検査を行う
各自治体や民間の検査機関の担当者が現場に行き、目で見て、または実際にサイズを計って、設計図書の通りに工事が進み、安全性が保たれているかをチェックします。
なお検査をするときには、現場監督の立会いが必要です。
中間検査の合格証を渡される
建物が設計図書に沿って工事されていることが保証できたときには、中間検査合格証が渡されます。
しかし、合格しなかったときには、是正または計画変更の手続きを始めなければなりません。問題点がしっかりと修正されるまでは、次の工程に進めないので注意が必要です。
中間検査でかかる費用について
中間検査の費用は、申請先や建物の大きさによって異なります。また民間の検査機関に申請するときには、費用が高めに設定されている場合もあるため、前もってチェックしておきましょう。
中間検査にかかる金額は、30平米以内の住宅であれば約9千円から1万5千円程度で、30平米から100平米までの住宅では約1万1千円から4万円程度が目安になります。各自治体や検査機関によって、費用は異なります。
中間検査を受けなかったときのペナルティ
中間検査の申請をせずに、検査を受けないまま建築工事を行ったときや、修正するように言われた内容に対応しなかったときには、建築主に懲役または罰金が課せられるおそれがあるので、注意しなければなりません。
また、工事を行った建築会社も懲役または罰金、重い場合には業務停止、免許取り消しなどの可能性もあることを覚えておきましょう。
中間検査では写真が必要
中間検査の申請を行うときには工事の写真が必要になりますが、写真には細かい条件が決められています。もし中間検査に合格できなければ、そのあとの作業が止まってしまうので注意が必要です。
さらに工事が終わってから4日以内に申請するなど短期間で物事が進むので、スピーディーに撮影して写真を管理し、提出しなければなりません。通常は、デジタルカメラを使用して写真を撮ります。それからパソコンで画像を処理して、表計算ソフトを使用して申請書を作成します。
しかし、デジタルカメラの使用にはリスクが伴います。たとえば、現場で取った写真に不足している部分があとから発覚するかもしれません。また、撮影したデータを間違って削除したり、紛失したりしてしまうおそれもあります。
さらに、デジタルカメラで撮った写真を事務所に持ち帰ってから処理して、申請書を作成するので時間がかかるというデメリットもあります。撮った写真を整理して選ぶ作業でも時間がかかり、不足した部分の撮り直しを行うときにもすぐにできず、翌日以降になってしまう可能性があります。
こうした事態を避けるために、工事写真を撮影して、現場で申請書を作成できるアプリを使用している人もいます。
スマートフォンのアプリを使えば、使いやすい操作で直感的に使用でき、撮影した写真を整理して、書類を作成する作業まで、すべての作業が現場で行えます。
しかも写真はインターネットを経由して、どこからでも確認できるので、現場で作った書類を事務所でチェックしたり、現場で撮影したあとに事務所に送信して編集するなどの作業もできます。
完成した書類をPDF化して送信できるものもあるので、アプリを使用すれば撮影した写真を管理して、提出するまでの流れが大きく変わります。
アプリのなかには無料で試せる商品もあるので、費用の面でも安心できるでしょう。
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