合同会社えにしす

建築工事が終わったときに行う完了検査の内容や注意点について

 

建築工事が終わったときに行う作業には、建築基準法で定められた完了検査というものがあります。

 

建築確認と比べると、完了検査は軽く見られがちですが、建築物が完成したときに、完了検査を受けることはとても大切です。

 

完了検査に通らないと建物を使えないという規定もあるため、工事が終了したあとに不安を抱かないためにも、建築の完了検査について理解を深めることが重要です。

 

建築の完了検査について

完了検査とは、法律で決められた新しい建築物が受ける検査のことです。

 

建築の確認申請を行って、建築物が法令に反しないで設計されたことをチェックしたあとで、完了検査によって図面と適合して建築されたかどうかをチェックする流れになっています。

 

建築が終了してから、よほどの事情がない限りは4日以内に完了検査の申請を行います。

 

申請書を提供するのは、地方自治体の行政庁や、民間の検査機関になりますが、通常は建築を請け負った工務店や建築会社が代理人として申請を行います。

 

建築の完了検査は申請された日から7日以内に行うように法律で決められています。

 

しかし、前もって相談すれば、検査の日を指定できるケースもあるので、時間の制約がある人は相談してみると良いでしょう。建築の完了検査は、検査済証を受け取ったときに完了します。

 

そのため検査が終了したら、必ず検査済証の交付を頼みましょう。検査済証を受け取るまでは、原則として建物を使用できないので注意が必要です。

 

完了検査で注意すること

建築確認に合格すれば確認済証を受け取れるように、完了検査により、建築基準法に沿って建てられたことがわかれば検査済証を受け取れます。

 

しかし、確認済証と比較すると検査済証は軽く見られる傾向にあり、検査済証を発行されていない住宅もあります。

 

注意すべき点として、検査済証を受け取っていなければ、合法的に建物を使用できなくなるという点があります。また、検査済証は家の増築をするときに必要な書類です。

 

さらに、住宅ローンを申請するときにも検査済証を持っている必要があります。そのため、完了検査が終了したら検査済証を受け取り、大切に保管しておきましょう。

 

なお完了検査を申請するときは、手数料を払わなければなりません。手数料の金額は申請先や建物の大きさによって異なるので、前もってチェックしておきましょう。

 

完了検査を申請しなかったり、建築基準法に沿った建物ではないなどの理由で、検査済証が交付されなかったりすると、出来上がった建物が違反建築物と見なされてしまいます。

 

施工主は重いケースでは懲役や罰金、建築を行った会社は免許取り消しや業務停止などのペナルティを課されるので注意が必要です。

 

完了検査の申請については、建築会社が代理で行いますが、申請書が出されているかどうかのチェックは、自分で行ったほうが良いでしょう。

 

検査済証はいつ、どこで受け取るのか

検査済証を受け取る時期は、売り手は完了検査が終わったときですが、買い手は建物を購入したあとの引き渡しのときになります。

 

建物が完成したときに、検査済証を受け取れるので、売り手が建物を売りに出すときは、買主へ、鍵と一緒に検査済証を引き渡す必要があります。

 

一方で買い手が中古住宅を買うときには、元の所有者から住宅と鍵を受け取るタイミングで預かりましょう。なお受け渡すのは、ローンを組んだ銀行が行うケースが多いです。

 

検査済証を失くしたときにはどうなるのか

検査済証は再発行ができません。失くしてしまうと問題を解決できないので、厳重に保管し管理することが重要です。

 

中古物件を買うと、検査済証だけではなく、確認済証やそのほかの重要書類も受け取るので、どこにどのように保管するのかが重要です。

 

検査済証は再び発行することはできませんが、対処法はあります。建築計画概要書という自治体で発行できる書類を、窓口で申請することにより取得できます。

 

しかし営業目的や申請の目的が不明確なときには受け取れません。建築計画概要書を受け取るときには、建築確認済証の日付と番号が必要です。

 

建築確認済証も失くしてしまったときには、建物の登記簿を取るか、建築年度をチェックする、建築当時の正しい住所と建築主を知らせるなどして再発行してもらいましょう。

 

証明書を発行するときは、役所の建築住宅に関連する業務を行う部署で処理してくれます。住所地のある役所へ出向き、必要な情報を記して焦らず対処しましょう。

 

検査済証がない建物を売りに出すときにはどうすれば良いのか

最近では検査済証を持つ建物が、全体の8割から9割を占めていますが、古い建物になると検査済証がない可能性もあります。

 

現在の調査では築25年以上の住宅は、およそ半数以上が検査済証を持たないといわれていまます。もし検査済証がない建物を売りに出したいときには、国土交通省が示したガイドラインを参考にできます。

 

この資料は、検査済証がない建物も売買が迅速にできるように、国土交通省が定めたものです。

 

民間の機関に依頼して、ガイドラインに基づいて調査をすることで、検査済証がない建物でも安全性を保証できます。

 

また、現金一括払いで売買できる不動産会社を選ぶことも1つの方法です。検査済証は住宅ローン審査のときに必要な書類であり、取得していなかったり、紛失したりしたときには売買が成り立たない可能性もあります。

 

しかし、不動産会社は中古住宅を一括で買い取ったあとに、リフォームをして再び売りに出す業務をしています。

 

仮に築25年以上の物件で検査済証がない中古住宅でも、現金で買い取ってから商品化するので、不動産を売りに出したい人は、1つの方法として考えてみましょう。

 

また、検査済証がない建物の買い手は、現金一括購入で中古住宅を購入できます。ただし、買い取ったあとにリフォームや耐震対策などを行うと、費用がかかるので注意が必要です。

 

不動産を売買するときには、1社だけで決めずに複数社へ査定をお願いすることが一般的です。最も良い条件の不動産会社と契約すると、短い期間で売却金が手に入る場合もあります。